小林春吉商店のこだわり

日本酒は、原料酒米を蒸し、これに水、麹・酵母菌の微生物を加え(これら一体になったものをモロミという)、その働きで造られます。 すなわち、お米の澱粉を麹菌の出す酵素で液体の糖に変え、この糖を酵母菌がアルコール(日本酒)に変えます。 このモロミを搾った(濾過した)濾過液がお酒になり、濾過残存物が酒粕となります。

小林春吉商店は日本一の酒造業地帯「灘」の中心に社屋を構え、酒粕を専門に取り扱う国内でも珍しい会社です。

消費者の皆様に極力ご満足いただけるような高品質の酒粕の確保及び提供、また日本人の知恵が詰まった発酵食品である「酒粕」という食文化の次世代への継承を目指し日々奮闘しております。

一般消費者様向け商品におきましては、品質維持の観点から以下の「こだわり」を持って製造を行っています。

1.液化(酵素)仕込み酒粕の不使用

日本酒の仕込みには中世以来蒸した米が使用されてきましたが、戦後白米を液状にして仕込む醸造法(一般に液化仕込みあるいは酵素仕込みと呼ばれます)が開発され、価格の安い経済酒中心に使用されています。

残念ながら、この醸造法で産出された酒粕は従来仕込みの酒粕に比べ旨みに欠けます。

弊社におきましてはこの種の酒粕を一般消費者様向け製品に使用しておりません。

2.増醸酒酒粕の不使用

日本酒の原材料は酒税法及びその他政令等において規定されていますが、米、米こうじ、醸造アルコールの他に副原料として糖類、酸味料の使用が認められており、価格の安い経済酒中心に使用されています。(酒造業界では二倍醸造酒と呼ばれます)

弊社ではこれら糖類、酸味料が使用された酒粕につきましては一般消費者様向け製品に使用しておりません。

なお、弊社が商標使用している月桂冠株式会社様では昭和56年6月1日以降糖類、酸味料の日本酒使用を全廃されています。

3.粕漬用酒粕における踏込み粕の使用

酒粕は基本的に時間の経過により腐敗することなく熟成します。麹菌、酵母菌の酵素の力により糖分、アミノ酸が増加し、甘味・旨みが濃くなります。

昔の人は熟成した酒粕を使用して、様々な素材を漬け込んで保存食として利用してきました。奈良漬がその代表です。

酒粕の熟成に手間と時間が掛かること、熟成に伴う着色(ピンク→黄金色→茶色)について品質悪化ではないかとの誤解があることから、熟成していない粕漬用酒粕が出回ることが多くなっています。

しかし、弊社では美味しい漬け上がりには、熟成した酒粕の使用が最適との考えから、タンクで踏み込んで密封熟成させる伝統的な手法で製造した踏込み粕を主に使用した粕漬用酒粕の提供を心がけています。

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